「最強伝説 黒沢」と日本シリーズの巨人4連敗とホークス日本一と

『最強伝説 黒沢』は第1部の方が好きなのだけど、最も胸にドスンと来るセリフは第2部(「新黒沢」)にある。
「人は負けるべき時に ちゃんと負けておくべきだ」
「本当に強くなるのは その後なんだよ」
そう、人生はどこかで一度はきちんと負けないとダメなんだと思う。
巨人が完膚なきまでにやられてしまった日本シリーズの夜に、ふと、このセリフをを思い出したのでした。
「ただねえ、どこで負けるかが難しいんですよ」とは帝京・前田三夫監督の言葉だけど、中途半端にやられるより、今回はよかったんじゃないかな。これからの巨人を見るのが、むしろ楽しみになってきたよ。
ホークス強かった。おめでとうございます!
今年もプロ野球を観ることができて、本当によかった。

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『新黒沢 最強伝説』(福本伸行)15巻より

クーパーズタウンで買った1940年代のウィルソンのグラブ

以前、アメリカの野球殿堂があるクーパーズタウンに行った。
ここはまさに「野球の街」といえるところで、野球殿堂の周辺には野球関連のショップがずらり。その中に古い野球道具を売っている店もいくつかあって、写真でしか見たことない大昔の道具がたくさん並んでいる姿に目を奪われた。
 
で、せっかくなので1940年代のウィルソン製グラブを買った。
このグラブで一度キャッチボールをしたのだけど、グラブを閉じてもボールをホールドしにくいし、革も厚そうに見えるのだが捕球のたびに手が痛くなる。
革が経年劣化していることを差し引いても、この時代の内野手って、ゴロは捕球というよりも当て捕り中心だったんじゃないか、なんて思った。高木守道のゲッツー守備みたいな。実際、どうだったのかな?
今は昔に比べ野球のレベルが向上しているのは確かだろうけど、一方で昔の選手はこういった道具でプレーしていたことも忘れないようにしたいものです。
 

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田舎にとっての「プロ野球」と宮本和知さんとサイン待ちと

「出待ち」のファンにサインをしたり記念写真を撮ったり。ファンサービスもプロ野球選手の大事な仕事。
一部の行き過ぎたファンや転売ヤーは問題だけど、たがいに節度を守ったやりとりは見ていてホッコリする。
そんな風景もコロナのおかげで今年はなくなった。再び目にすることができるのは、まだまだ先だろうか?

私自身は、仕事の影響もあって今はサインや記念写真の類いに執着はない。
でも、子どもの頃はやっぱりプロ野球選手のサインがほしかった。
だけど、東北の田舎住まいの人間にとって、キャンプや一軍の試合の観戦など夢のまた夢。小学生時代、生観戦できる「憧れのプロ野球」といえば、地元に来るイースタン・リーグ、即ち二軍の試合だった。

生まれて初めて観戦したのは巨人VS日本ハム
生まれて初めてサインをもらったのは、現在、巨人の一軍投手コーチである宮本和知さんである。

今ほどファンサービスに熱心ではない時代。試合後、多くの選手たちはササッとバスに乗り込んだので「サインもらえないかな……」と思っていたところ、バスの窓を開けて、最後までファンにサインをしてくれたのが宮本さんだった。
当時はもう王貞治さんとウォーリー与那嶺さんのエピソードを知っていたので、「オレにとってのウォーリーは宮本だな」と思ったものである。
その後、宮本さんが一軍でバリバリ活躍したのもうれしかったし、応援もしていた。

そして、自分も宮本さんみたいな選手になりたいな、とプロ野球選手への夢が膨らんだことは言うまでもない。そう考えると、ファンサービスってやっぱり大事だな、と思う。

また球場で選手にサインをお願いできる日が来ますように……。

 

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コロナ前のサイン待ちの様子。来年2月のキャンプはどうなるのかな……

 

ニューヨークMLB観戦旅行とヤンキースタジアムと田中将大とニック・マルティネス

昨日、妻と「もし有原がMLBに移籍したらいつか現地観戦する」話を書いたが、仮にそれが実現、実行するとなると、カギを握るのは計画のタイミングだ。

私は富豪でも資産家でもない。ごく普通の労働者である。いつでも好きなタイミングで予算がいくらかかってもOKという海外旅行は無理だ。仕事を調整して長い休みをとり、かけるべきところにお金をかけるため、妥協していい部分は徹底してお金をかけない。海外への旅はいつもそんな工面をしている。

仕事の調整は1年前くらいから旅を計画していればそれほど難しくはない。予算も早めの予約やマイルを駆使すればけっこう安く済む。

だが、「MLBのスターター投手を現地で観たい」という旅行は上記の点でかなり苦戦を強いられる。なぜなら、まずお目当ての選手が先発ローテーション入りして開幕を迎えられるか? という問題がある。その判断を毎年3月下旬にならないとわからない。MLBのレギュラーシーズンを観戦しようとすれば遅くとも9月まで。つまり、ある程度、観戦を想定して休みの都合や予約を済ませるのは早くても半年前になる。普通の旅行ならそれなりに余裕がある期間ともいえるが、一労働者の貧乏旅行となると、ちょっと準備期間が短い。特にマイル便の予約は早くに埋まるので、都合よい便を予約するには1年前でもちょうどいいくらいだ。さらにケガや不調でローテを外れる可能性も加味すると、なるべく確定したら早い時期に観戦する方が安全である。

だから、もし有原を観戦するならこのギリギリの戦いをしなければならないのだ。

ちょうど数年前に「ヤンキースタジアム田中将大の登板を観戦する」という旅をしたのだが、この旅はまさにその調整との戦いだった。

3月、田中が順調に開幕ローテ入りを果たしそうな見込みがついだ段階で、マイルでNY便を予約を開始。レギュラーシーズンの日程とその段階での仕事の見込みを予想。旅行の時期を6月下旬〜7月中旬に絞る。

次にヤンキースの予想される先発ローテーションをチェックして、開幕戦から全試合に予想される先発投手を当てていく。MLBはその点で日本より厳格にローテーションが運用されるので予想はラクだ(もっとも最近はオープナーやブルペンデーの登場でMLBも予想しにくいチームもある)。

そして6月下旬〜7月中旬のゲームで田中のヤンキースタジアムでの先発登板予想試合をあぶり出す。意外とこれがそれほど多くない。よって、現実的に観戦可能性は低かったが、一応、ボストンやボルチモアなどニューヨークから比較的、行きやすい球場での先発登板予想試合もピックアップした(この時はクーパーズタウンアメリカ野球殿堂にも行きたかったので、中西部エリアでの登板は無視)。

こうしてマイルで飛べる航空便や全ての旅程(たとえば同時期に観戦できそうなメッツやマイナーの試合)も加味して検討したが、やはりニューヨークでの観戦がベストという結論に。すると観戦試合は2シリーズくらいに絞られるので、あとはマイルで飛べる航空便の都合が合う方を選択。最終的に観戦は現地時間2016年6月27日〜30日にヤンキースタジアムで開催されるレンジャース4連戦に決定。田中の先発予想日は6月29日。ローテの変更や雨天中止の影響なども考え、28日と29日の2試合を観戦することにした。あとは3ヶ月、無事に田中が登板し続けてくれることを祈るのみ。

本当は30日までのホーム9連戦の中頃の登板を狙いたかったが(もしズレてもニューヨークにいれば現地で観戦日を増やすことができる)航空便の予約が厳しかった。7月1日からヤンキースはサンディエゴで3連戦。もしローテが後ろへ2試合狂ったら終わりだったが、まあそのときはそのとき。仕方がないと諦める気持ちだった。

そして6月。田中は抜群の安定感で登板を続け、私は6月29日に田中の雄姿をヤンキースタジアムで観戦できることができた。予備日だった28日は、朝にニューヨークに到着したばかり。時差ボケで眠気と闘いながらC.Cサバシアの登板を観戦したが、この日はしっかりと睡眠をとって観戦。田中は6失点で勝星はつかなかったが、試合は9回にヤンキースがブライアン・マッキャンの3ランにディディ・グレゴリアスの2ランで4点差をひっくり返す劇的なサヨナラ勝利。本当にいい思い出となった。

長くなったが、将来、有原の登板を観戦する旅行に行くとなれば、この経験は生きるはず。ただ、田中はご存じの通りヤンキースのエースクラスの立ち位置なので比較的、予想しやすかった。これがローテ入りできるかできないかのボーダーラインに立つ投手だと、もっと賭けの要素は増える。それならいっそセットアッパーやクローザーの方が観戦できる確率は高い。いずれにせよ安定してメジャーでプレーできればの話ではあるが、果たして有原はどうなるか……結局、MLB断念なんて顛末もあるかもだけど。

ちなみにこのブログを書くにあたり当時の電子チケットを見直したら、田中と投げ合ったレンジャースの先発投手が、現在、日本ハムに所属するニック・マルティネスであったことがわかった。当時は初めてのニューヨークで舞い上がったり右往左往したりして、全く記憶してなかったよ!

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当時のチケット。顔写真を見た瞬間、「あれ?マルティネス?」となった……

 

ファイターズのホーム最終戦と有原航平とメジャーリーグと

ファイターズ、今季の札幌ドーム最終戦に勝利。有原航平が8勝目。
ところで妻曰く、数年前から僕が家でファイターズの中継を観ている際、ふだんは野球なんぞ観ない妻が何かのタイミングで目にするときに限って有原が投げているらしい。
妻「また有原!」
僕「たまたまでしょ」
妻「だんだん有原が他人に思えなくなってきた」
僕「でも来年はメジャーかもよ」
妻「そうなんだ」
僕「そうなったらいつかアメリカまで見に行く? ワハハ(行くわけないよね)」
妻「……有原を見るなら行ってもいいかな」
僕「!?」
アフター・コロナ初の夫婦海外旅行はアメリカになるのだろうか?
すべては有原次第だ。

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仙台育英、健大高崎、中京大中京、明徳義塾に明豊。高校野球秋季大会、連覇校は増えるか?

高校野球秋季大会、東北は仙台育英が連覇。関東、東海、四国は今日の決勝で健大高崎中京大中京明徳義塾が勝てば連覇。九州も昨年の王者・明豊が勝ち残っている。もしこの4校が優勝すれば10地区のうち5地区が連覇となるのか。
ちなみに昨年は星稜と国士舘が連覇。星稜は今秋も北信越ベスト4で3連覇が視野に入っていた。過去最高は何校になるのだろう?
夏の甲子園における連続出場校の増加傾向、49地区における代表校の寡占化傾向の高まりは少しずつ数字にも現れてきているのが、秋もその傾向が……?

千葉ロッテとダイナミックプライシングと和田康士朗と

昨日、ZOZOマリンスタジアムへ行った。
マリーンズVSイーグルス
10月末のナイターはどこか日本シリーズ感がする。
ところで現在は一部球団がチケットにダイナミックプライシング(変動料金制)を導入しているが、千葉ロッテもその一つ。
この試合のチケットはCS争い中ということもあってか、僕の購入時でまあまあの値段だった。一番安いビジター外野席や内野2階席が3700円前後。今日、僕が座っている内野指定A席が4900円である(写真の席)。
AIがプライスを決めているというけど、金曜日の夜、CS争い中、晴れ予報といった要素も盛り込まれているのでしょうね。
人気が出るのはいいことだが、でも、なんか、やっぱちょっと高いなーと感じちゃうなあ。当然なから時期によってはお得なプライスになる試合もあるわけだから難しいところなんですけどね。
ちなみに僕は1人観戦だけど、家族4人でこの席の場合、チケットだけで約2万円。交通費に飲食代を加えれば出費は3万円くらいか。レジャーとしては、それなりの値段。
だからこそいろいろ優遇制度があるファンクラブに入ってリピーターになる、なってもらうのがファンにとっても球団にとってもよい方向になるんでしょうけどね。新規客の取り込みは10年、20年先を見た取り組みを始めている球団もあることだし。
ただ、全体的に見ればMLBもそうだが、プロ野球のスタジアム観戦は昔ほど気軽なレジャーではなくなりつつあるのかな。いや、物価や市況を考えれば日本の方がより「高級度」は強いともいえるのか……んーでも、実質的な貧富格差を考えればまだどっちもどっちかな? ともあれ選手たちにはどの試合にも1年に1回の生観戦、みたいなファミリー客もいるからもしれないから(それこそ遠方からのお客さんとか)全力を尽くしてほしいものですね。
 
それにしても客が少ない東京ドームの日本ハムVSロッテ戦を、会社帰りにフラッと立ち寄って観戦、なんて描写は過去の話になっていくのかしら。まあ、どの球団も動員力がアップしているのは喜ばしいことだから基本的には良いことだと思ってはいるんですけどね。
しかしながら、そんなプロ野球に比べて高校野球はあれだけの人気なのに入場券は大人1人500円くらい。子どもは無料で観戦できたりするわけだから大衆性が高いといえるのだろうなあ。とはいえ、もし高校野球がビジネス方面へ大きく舵を切れば(人口減少がスーパー加速していく今後、将来的になくはない気がしている)、こちらも今ほど「気軽に」とはいかなくなるのかもしれないけど(夏の甲子園に関しては違う意味で「気軽に」とは言えなくなりつつあるね、既に)
なんて、試合前にいろいろ考えていたのだけど(早く着いたから)、結局おれなんかは、たとえば和田康士朗が疾風のようなスピードでフライをキャッチしてくれたりしたら、4900円くらい気にならなくなっちゃうタイプではあるんですけどね。

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