タイの野球場へ行く

4年前の秋、タイへ1人旅をした。

野球好きゆえに、せっかくならばタイの野球場にも行ってみたい、と旅行前に思った。

しかし、タイでは野球はマイナースポーツというのが正直なところ。野球場もほとんどなく、1998年のアジア大会用としてバンコク近郊につくられたクイーン・シリキット球場がタイで唯一、本格的な野球場の模様。高校野球ファンならば2014年の18Uアジア選手権の会場といえば記憶している方もいるだろう。

タイ在住の友人に情報を教えてもらうと、たぶん試合も練習も行われていない可能性大。球場近くのタクシーの運転手でも「ベースボール・スタジアム」と言ったところでピンとこないのではないか、とのことだった。

幸い、スタジアムはRajamangala University of Technology Thanyaburiという大学に隣接した複合スポーツ施設、クイーン・シリキット記念スポーツ・スタジアムにあるようなので、まあ、どっちかを指示すればなんとかなるだろうとホテルを出発。球場周辺で一番メジャーかつアクセス方法豊富な施設が、かつてタイのメイン国際空港だったドンムアン空港だったので、そこまでは公共公機関を使い、あとはタクシーとすることにした。

友人のオススメ情報はホテルから直接タクシーで行くのが一番速く、お金もそこまで法外にはならないとのことだったが(タイのタクシーは日本人の感覚からすると本当に安い)、まあ時間もあるし節約できるところは節約しようかと。

というわけで空港行きのバスに乗るべくクルンテープ駅へ。インフォメでバス乗り場をたずねるがなぜか空港行きの電車の案内をされた。タイ語わかんねぇ!(というかおれの英語もダメなのだろう)
まあいいかと電車に乗ると地下鉄やBTSに比べるとボロくてノロかったけど、なんというかノスタルジックでこれはこれで風情があった。

ガタゴト揺られ40分ほどで無事空港に到着。すぐにタクシー乗車、大学名を告げると通じた。ただ、近い、といっても30キロほどの道のり。アクセスの悪さにこの国での野球の扱いを痛感する。日本という国で野球が好きということは、いろいろと恵まれているのだろうなぁ。

で、球場についた。なるほど、確かにまともな野球場ではある。高校野球でいえば、ちょうど各都道府県の準々決勝あたりまで使用されるくらいの規模、施設かなぁ。一応、サブ球場もあるし。
ただ、悲しいかな、おそらくあまり使用していないのだろう、内野はボッコボコで芝にもゴミがちょこちょこと。一応、スタンドや外周はスポーツセンターの清掃員が掃除はしていたが……まあ、こんなもんなのだろう。もしまた国際大会などがあればきっちり整備するだろうしね。

ちなみにスタンドには洗濯物が干してあって(笑)、誰だよ、と思って近づいたら隣のフィールドで練習していたホッケーチームのようだった。たぶんスコールで濡れた練習ウェアを乾かしていたっぽい。ある意味、贅沢な野球場の使い方(笑)。練習場や公式戦用球場の確保に頭に悩ませている日本の野球関係者からしたら、もったいない話である。

あれから4年。今はどうなっているのかなあ。

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