1人ドラフト会議と江坂政明と村井勝美と

野球界は来週に迫ったドラフト会議の話題が盛り上がっている。
毎年思い出すのは、僕が中学1年くらいから毎年やっていた「1人ドラフト」である。
 
1人で12球団の指名選手を6位×12球団=72人決める。
重複があれば手製のクジを1人で引いて抽選する。
1人で全球団のクジを引き、1人で「〇〇に決定!」と驚く。
外れた球団の指名選手を新たに考えるのも1人だ。
忙しい。
けど、楽しかったなぁ。
たぶん同じ時間、同い年のうまい選手は素振りや走り込みをしていたのだろう。
自分が選手としてダメだった原因はこのあたりである。
ネットもドラフト(的視点の)専門誌もない時代。最大の情報源は夏の甲子園展望号とドラフト前の週べ、そしてスポーツ新聞の候補選手リスト。よって、今よりもずっとドラフト直前で慌ただしく選手を評価しなければならなかった(誰にも頼まれてないけど)。
さらにYouTubeどころか、ウチにはビデオデッキもなかったので(クラスメイトの中で導入が一番最後だった……)、選手のプレーは記事からイメージすることがほとんど。その他、選手評の書き口や戦績の相対評価なども加味して判断、指名順位を決める。
この「俺の1人ドラフト」で、何年か上位で指名しながら、現実のドラフト会議で指名漏れが続いたのが、村井勝美(NTT信越)と江坂政明(神戸製鋼)という2人のサウスポー。
2人とも「ややスピード不足」とはあったものの、各誌の評価は低くなかった。そのため、宮本和知のブレイク前後で「左腕日照り」といわれた巨人のために2人を指名したこともあった。
「なぜ2人は指名されないのか?」
それは、当時の自分にとって大きな謎であった。
後年、江坂は近鉄に指名されてホッとしたが、村井は結局、プロに指名されることはなかった。
情報豊富な今だったら(あるいは自分でいろいろな試合を観戦できる今なら)、もう少し指名漏れの理由や背景がわかったのかなぁ……。
いつか誰かから聞けたらうれしいのだけど。