「最強伝説 黒沢」と日本シリーズの巨人4連敗とホークス日本一と
クーパーズタウンで買った1940年代のウィルソンのグラブ
田舎にとっての「プロ野球」と宮本和知さんとサイン待ちと
「出待ち」のファンにサインをしたり記念写真を撮ったり。ファンサービスもプロ野球選手の大事な仕事。
一部の行き過ぎたファンや転売ヤーは問題だけど、たがいに節度を守ったやりとりは見ていてホッコリする。
そんな風景もコロナのおかげで今年はなくなった。再び目にすることができるのは、まだまだ先だろうか?
私自身は、仕事の影響もあって今はサインや記念写真の類いに執着はない。
でも、子どもの頃はやっぱりプロ野球選手のサインがほしかった。
だけど、東北の田舎住まいの人間にとって、キャンプや一軍の試合の観戦など夢のまた夢。小学生時代、生観戦できる「憧れのプロ野球」といえば、地元に来るイースタン・リーグ、即ち二軍の試合だった。
生まれて初めて観戦したのは巨人VS日本ハム。
生まれて初めてサインをもらったのは、現在、巨人の一軍投手コーチである宮本和知さんである。
今ほどファンサービスに熱心ではない時代。試合後、多くの選手たちはササッとバスに乗り込んだので「サインもらえないかな……」と思っていたところ、バスの窓を開けて、最後までファンにサインをしてくれたのが宮本さんだった。
当時はもう王貞治さんとウォーリー与那嶺さんのエピソードを知っていたので、「オレにとってのウォーリーは宮本だな」と思ったものである。
その後、宮本さんが一軍でバリバリ活躍したのもうれしかったし、応援もしていた。
そして、自分も宮本さんみたいな選手になりたいな、とプロ野球選手への夢が膨らんだことは言うまでもない。そう考えると、ファンサービスってやっぱり大事だな、と思う。
また球場で選手にサインをお願いできる日が来ますように……。
ニューヨークMLB観戦旅行とヤンキースタジアムと田中将大とニック・マルティネス
昨日、妻と「もし有原がMLBに移籍したらいつか現地観戦する」話を書いたが、仮にそれが実現、実行するとなると、カギを握るのは計画のタイミングだ。
私は富豪でも資産家でもない。ごく普通の労働者である。いつでも好きなタイミングで予算がいくらかかってもOKという海外旅行は無理だ。仕事を調整して長い休みをとり、かけるべきところにお金をかけるため、妥協していい部分は徹底してお金をかけない。海外への旅はいつもそんな工面をしている。
仕事の調整は1年前くらいから旅を計画していればそれほど難しくはない。予算も早めの予約やマイルを駆使すればけっこう安く済む。
だが、「MLBのスターター投手を現地で観たい」という旅行は上記の点でかなり苦戦を強いられる。なぜなら、まずお目当ての選手が先発ローテーション入りして開幕を迎えられるか? という問題がある。その判断を毎年3月下旬にならないとわからない。MLBのレギュラーシーズンを観戦しようとすれば遅くとも9月まで。つまり、ある程度、観戦を想定して休みの都合や予約を済ませるのは早くても半年前になる。普通の旅行ならそれなりに余裕がある期間ともいえるが、一労働者の貧乏旅行となると、ちょっと準備期間が短い。特にマイル便の予約は早くに埋まるので、都合よい便を予約するには1年前でもちょうどいいくらいだ。さらにケガや不調でローテを外れる可能性も加味すると、なるべく確定したら早い時期に観戦する方が安全である。
だから、もし有原を観戦するならこのギリギリの戦いをしなければならないのだ。
ちょうど数年前に「ヤンキースタジアムで田中将大の登板を観戦する」という旅をしたのだが、この旅はまさにその調整との戦いだった。
3月、田中が順調に開幕ローテ入りを果たしそうな見込みがついだ段階で、マイルでNY便を予約を開始。レギュラーシーズンの日程とその段階での仕事の見込みを予想。旅行の時期を6月下旬〜7月中旬に絞る。
次にヤンキースの予想される先発ローテーションをチェックして、開幕戦から全試合に予想される先発投手を当てていく。MLBはその点で日本より厳格にローテーションが運用されるので予想はラクだ(もっとも最近はオープナーやブルペンデーの登場でMLBも予想しにくいチームもある)。
そして6月下旬〜7月中旬のゲームで田中のヤンキースタジアムでの先発登板予想試合をあぶり出す。意外とこれがそれほど多くない。よって、現実的に観戦可能性は低かったが、一応、ボストンやボルチモアなどニューヨークから比較的、行きやすい球場での先発登板予想試合もピックアップした(この時はクーパーズタウンのアメリカ野球殿堂にも行きたかったので、中西部エリアでの登板は無視)。
こうしてマイルで飛べる航空便や全ての旅程(たとえば同時期に観戦できそうなメッツやマイナーの試合)も加味して検討したが、やはりニューヨークでの観戦がベストという結論に。すると観戦試合は2シリーズくらいに絞られるので、あとはマイルで飛べる航空便の都合が合う方を選択。最終的に観戦は現地時間2016年6月27日〜30日にヤンキースタジアムで開催されるレンジャース4連戦に決定。田中の先発予想日は6月29日。ローテの変更や雨天中止の影響なども考え、28日と29日の2試合を観戦することにした。あとは3ヶ月、無事に田中が登板し続けてくれることを祈るのみ。
本当は30日までのホーム9連戦の中頃の登板を狙いたかったが(もしズレてもニューヨークにいれば現地で観戦日を増やすことができる)航空便の予約が厳しかった。7月1日からヤンキースはサンディエゴで3連戦。もしローテが後ろへ2試合狂ったら終わりだったが、まあそのときはそのとき。仕方がないと諦める気持ちだった。
そして6月。田中は抜群の安定感で登板を続け、私は6月29日に田中の雄姿をヤンキースタジアムで観戦できることができた。予備日だった28日は、朝にニューヨークに到着したばかり。時差ボケで眠気と闘いながらC.Cサバシアの登板を観戦したが、この日はしっかりと睡眠をとって観戦。田中は6失点で勝星はつかなかったが、試合は9回にヤンキースがブライアン・マッキャンの3ランにディディ・グレゴリアスの2ランで4点差をひっくり返す劇的なサヨナラ勝利。本当にいい思い出となった。
長くなったが、将来、有原の登板を観戦する旅行に行くとなれば、この経験は生きるはず。ただ、田中はご存じの通りヤンキースのエースクラスの立ち位置なので比較的、予想しやすかった。これがローテ入りできるかできないかのボーダーラインに立つ投手だと、もっと賭けの要素は増える。それならいっそセットアッパーやクローザーの方が観戦できる確率は高い。いずれにせよ安定してメジャーでプレーできればの話ではあるが、果たして有原はどうなるか……結局、MLB断念なんて顛末もあるかもだけど。
ちなみにこのブログを書くにあたり当時の電子チケットを見直したら、田中と投げ合ったレンジャースの先発投手が、現在、日本ハムに所属するニック・マルティネスであったことがわかった。当時は初めてのニューヨークで舞い上がったり右往左往したりして、全く記憶してなかったよ!